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2018年7月1日 平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲リサイタル 演奏会評


■モストリークラシック 2018年9月号演奏会評  音楽評論家・萩谷由喜子氏
高橋望はドレスデン国立音楽大学でペーター・レーゼルに師事した逸材。帰国後はコンスタントに活動し、ことにライフワークとするバッハ「ゴルトベルク変奏曲」は毎年必ず弾いている。
彼のバッハは自然体で、心と技が一つになってバッハへの畏敬の念に溢れたおおらかな響きを生む。各声部をおのずと立ち上がって明澄な線をなす。ひとたび聴けば、ピアノによるバッハ演奏に懐疑的な人も宗旨替えするのではなかろうか。
今回は「平均律クラヴィーア曲集」第1巻全曲リサイタルだ。録音も達成し、4月の神戸に続く2度目の演奏会だけあって、プレリュードとフーガがしっかり手の内に入っていることがありありとわかる。
その弾き込みの深さに安住することなく、作品への敬意が保たれて、曲を移るごとに気を引き締め、新鮮な気分と小さなアイディアを大切にしながら24対が丁寧に弾き進まれた。前半12対で1時間超、休憩を挟んで後半12対がやはりそれくらいかけて演奏され、最後には彼らしく「ゴルトベルク」の再会のアリア。
(2018年7月1日 ルーテル市ヶ谷ホール)


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