FC2ブログ

【山の日に向けて~その3】

【山の日に向けて~その3】

プログラムの2曲目は、シェーンベルクの3つのピアノ曲作品11です。

1874年、ウィーンに生まれたシェーンベルクは独学で作曲を学んだ後、ツェムリンスキーに師事します。

DSC01908.jpg

シェーンベルクが描いた、師ツェムリンスキーの肖像画(ウィーンのアーノルド・シェーンベルクセンターで私が撮影)

この頃はブラームスの影響下にあるような後期ロマン派の作風でした。
1909年に作曲した3つのピアノ曲作品11で彼は新たな領域へ入って行きます。
それまでの音楽は、喜びは長調で、哀しみは短調で表すのが一般的でしたが、喜びでも哀しみでもないもっと複雑な気持ち(不安、危機、破滅、内的興奮、預言的要素など)を表すには長調と短調をない交ぜにするのが良いのではと考えたのです。

シェーンベルクは3つのピアノ曲の各曲に標題を付けていませんが、私は標題を付けるとするならば「生成」「存在」「消滅」が相応しいと思います。
以下私の個人的解釈です。
第1曲「生成」古いものと新しいものの合成。新しい何かが生まれていくさま。
第2曲「存在」低音域の反復音を時間の流れとすると、喜びの裏にも、哀しみの裏にも時間は等しく、また容赦なく流れていくことに気づく。その反復が意図的に壊されようとした時、秩序を乱した時、存在は危うくなり消滅に向かう。
第3曲「消滅」均衡が破られ、堰を切った水の如く何かが流れ出す。憎悪は拡大するが、やがて力を失う。一筋の希望により生成が再び試みられるが、無へ回帰を余儀なくされる。

公演情報➡こちら


DSC01901_20180805011839792.jpg

ウィーンのアーノルド・シェーンベルクセンターにある、ロスアンゼルスの作曲部屋の再現。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する