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「蝶々夫人と日露戦争~大山久子の知られざる生涯」(萩谷由喜子著、中央公論新社)

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「蝶々夫人と日露戦争~大山久子の知られざる生涯」(萩谷由喜子著、中央公論新社)

プッチーニのオペラ「蝶々夫人」の成立秘話と、それに関わった駐イタリア特命全権日本公使の大山綱介の妻・大山久子(1870~1955)の物語が中心ですが、大山綱介は日露戦争で多大な貢献をした人物でもあり、「蝶々夫人」の初演での失敗と再演での成功は戦時情勢と密接な関連があったそうです。

音楽と国際情勢のつながりを鮮やかに浮き彫りにしていて、音楽ファンだけでなく、あらゆる人に読んでほしい一冊です。

いくつか面白いと思った秘話を一部紹介します。

プッチーニは、「蝶々夫人」の作曲にあたり、日本音楽の収集に努めていたが、1902年4月に日本の川上音二郎一座がミラノに巡演した折に、プッチーニは観劇したそうです。日本の音楽の珍しいリズム、音色、川上の妻・貞奴の演技に触発され、この観劇の4日後に、蝶々夫人が結婚式に登場する際の音楽をかきあげたそうです。ここで「越後獅子」の旋律を織り込んだのだそう。

大山久子はローマ駐在の1902年にプッチーニと数度にわたり会見し、なんとトッレ・デル・ラーゴのプッチーニの邸も訪問しているそうで、久子はレコードや楽譜など音楽資料だけでなく、どの曲をどのように採り入れるべきかについて、忌憚なく自分の意見を述べ、プッチーニと堂々と意見を闘わせたとか。
その例として
第2幕第1場でピンカートンの帰りを待つ蝶々さんのもとへヤマドリが求婚に現れるが、その登場音楽に「宮さん宮さん」が使われるが、この曲の使用に久子は賛成したそうです。なぜなら戊辰戦争時に討幕軍の有栖川親王をたたえるシンボル歌であり、長州藩の重職の娘に生まれ薩摩藩出身の外交官の妻となった久子にとっては、親しみをもって口ずさんできた愛唱歌だった。

ここを読んで思わず、「すごい」と唸ってしまいました。
名作の裏側を知るのはとても興味あるところですが、そこに日本人が関わっていたとなると、いっそう興味を引きますし、蝶々夫人というオペラにも一層親しみが湧きますね。

ご一読をお勧めします。

公演情報
■7月1日(日) CD発売記念/平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲リサイタル 
[会場] ルーテル市ヶ谷ホール(市ヶ谷駅徒歩3分)
[開演] 18:00 (開場17:30) 終演予定20時30分
[出演] 高橋望(ピアノ)
[曲目] バッハ・平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲
[チケット] 一般 3000円、学生 1000円 イープラス


■7月28日(土) レクチャー「ピアノでたどる音楽史~私の山の登り方」
[ところ] すみだトリフォニー練習室1
[開演] 14時
[出演] 高橋望(お話、一部演奏)
[内容] バッハを起点にシェーンベルクまでの音楽史を自然科学、絵画、歴史等とリンクさせ分かりやすくお話します。
[参加費] 500円 (当日精算・要申込)
※8/11公演のチケットをお持ちの方は無料。当日は公演チケットを必ずお持ちください。
[受付開始] 5月20日(日)10:00
[主催] すみだトリフォニーホール
[お申込み・お問合せ] トリフォニーホールチケットセンター 03-5608-1212

■8月11日(祝) ゴルトベルク、ベルク、シェ―ベルク~3つのbergからの眺め~高橋望ピアノリサイタルon山の日
[ところ] すみだトリフォニー小ホール
[開演] 15時
[出演] 高橋望(ピアノ)
[曲目] ベルク ピアノソナタop.1、シェーンベルク 3つのピアノ小品op.11、シェーンベルク 6つの小さなピアノ小品op.19、バッハ ゴルトベルク変奏曲BWV988
[チケット] 3,000円(全席指定)
[チケット発売日] 2018年05月20日(日)
[Webサイト] チケット購入 
[主催] すみだトリフォニーホール
[お申込み・お問合せ] トリフォニーホールチケットセンター 03-5608-1212


髙橋望/平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲のCD
HMVタワーレコードアマゾン、山野楽器など有名レコード店、楽器店で販売中!




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