チェンバロそれともピアノ

バッハを演奏する際、どの楽器で演奏するか?
ピアノでバッハを演奏するということも今では当たり前のことになっていますが、今一度このことを考えてみると、色々なことが見えてきます。

J・S・バッハ(以下JSB)の存命当時、チェンバロやクラヴィコード、オルガンが主な鍵盤楽器でした。
JSBが15歳の時(1700年)にイタリアのクリストフォリがフォルテピアノ(現代ピアノの原型と言える)を発明し、クリストフォリの機構を踏襲した形で、ドイツのオルガン作りの名人ジルバーマンがフォルテピアノを制作し、ベルリンはポツダムのサンスーシー宮殿に納め、フリードリッヒ大王やバッハの次男坊C・P・E・バッハが演奏したり、JSBが訪ねてきて演奏したということになっています。JSBも現代ピアノの原型を知っていたということになります。

では、JSBの作品を演奏するのにふさわしい楽器は?

平均律クラヴィーア曲集、クラヴィーア練習曲集などにあるクラヴィーアというのはドイツ語で鍵盤楽器ということです。

当時の人々に思いを馳せてみると、鍵盤楽器を2つも3つも持っていた人は本当に限られた人だったと思います。だとすると、私はチェンバロしか持っていない、私はクラヴィコードだけは持っているという人が多かったのではないでしょうか?
すると特定の楽器を想定しているというより、手持ちの楽器で演奏する、すなわちその人にとって身近な鍵盤楽器で演奏するのが良いのではないかと思うようになりました。

すると私にとっての身近な楽器はピアノ。この楽器で演奏するのが自然なことになります。もちろんバッハの演奏に必要な各声部の明晰さがなければなりません。ピアノで弾く際にもそのことに注意しなくてはなりませんが。

自分がその作品の美しさを表現できるピアノで弾くというのが自然だと思います。
歴史的考証を考える必要はありますが、それがゴールではない。どの楽器でJSBを弾くかということより、どのようにJSBを弾くか!ということが大切だと思います。

すなわち身近な楽器で、どのようにJSBを弾くか。これを忘れずにJSBの作品を向き合って行きたいと思います。

イタリア協奏曲、ゴルトベルク変奏曲については、JSBは楽器の指定をしています。すなわち2段鍵盤の楽器でと。
ゴルトベルク変奏曲は、2弾鍵盤のための変奏を1段しかないピアノで弾くと音がぶつかってしまいそれをどう処理するかが問題になります。
なので、これらの曲についてはチェンバロがベストと言えそうですが、しかしピアノで弾かないのはもったいない。それにピアノで弾いても美しい!



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